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外国映画に描かれた日本とは???
日本が主役編パート1

日本を主な舞台にしたもの・日本人を主役に描いたものを集めてみました。(順不同)
 
パート1索引

黒船

The Barabarian and The Geisha
1958

ジョン・ヒューストン監督
ジョン・ウェイン
安藤栄子
山村聰

江戸末期、日本を舞台に開国を巡るアメリカと幕府の関係を描く。日本領事ハリスをモデルにした。戦争映画で日本兵と戦う役の多かったウェインが唐突に親日映画に出た。芸者(唐人お吉。いきなり英語をしゃべくる)と恋に落ちると言う設定はおなじみ。山村聰は下田の奉行役。それにしてもヒューストン監督って傑作・駄作の波が激しいと思わないか?映画監督/脚本家の犬塚稔(1901年生まれ!2007年106歳で死去)の回想録『映画は陽炎の如く』では脚本の段階で駄作になるだろうと予測できた云々とある。それでも作ってしまうのね。(この回想録には犬塚とウェインが京都で芸者遊びをした記述などがあり興味深い)。衣笠貞之助、伊藤熹朔ら大映の一流スタッフが製作に参加しており、美術や衣裳は確かで見事なだけに惜しい。

八月十五夜の茶屋

The Teahouse of The August Moon
1956

マーロン・ブランド
京マチ子
グレン・フォード
根上淳
清川虹子
エディ・アルバート

マーロン・ブランド(『波止場』でオスカーを受賞したばかりで当時の人気は凄かったはず)がなんと日本人通訳に扮して日本語訛りの英語で喋る。日本語も話すが、何しろ出っ歯の入れ歯をしているので話しづらそうだ。戦争直後の沖縄を舞台にしており、家などは藁葺きのお粗末なもので恥ずかしい。占領軍を茶化した痛快なコメディなのだが、とにかく日本人の名が皆変でブランドは「サキニ」、その他「ホメイダ」「ヒガ」
淀川長治さんがチョイ役で出演している。50人のスタッフが来日して奈良の農村で撮影されたが雨天が続いたため結局ハリウッドで撮り直ししたそうだ。マ−ロン・ブランドは清川虹子に惚れたらしく、クランクアップ後、空港まで送りプライベートな電話番号を教えた上、ディープキスをして別れたそうだ。(京マチ子でないのが彼らしい?)ブランドは80年代半ば日本人女性の椿八千代との同棲が噂された。

ながいまこと様より以下

この映画、京都でもロケしています。父の実家が知恩院門前にあり、ここでロケがありました、カメコであつた叔父が、マーロン・ブラントなどロケの写真を写し、夜に自家現像プリントして、マーロンや関係者にプレゼント、マーロンのサインいり写真が叔父の家にあります、家の前でロケがあつたので写した、白黒写真の現像は家でやるのが普通だ。と叔父はいつております。

サイン入り直撮り写真とは!いやあ、うらやましい話ですねえ。京都はこの手の映画では絶対撮影場所になりますからね。ちなみに僕ユニオシもカメラマンなので家で現像しましたよ。押し入れ閉め切って強力な酢の臭いでクラクラしながらね。今そんなことやってる人いるのかなあ?ありがとうございました。

  The Teahouse of the August Moon Clip 1
しかしどういうつもりで演じたんだろう??オスカー俳優が。

マーロン・ブランドのフィギュアは

八月十五夜の茶屋

母が教えてくれた歌―マーロン・ブランド自伝

ヴァーン・スナイダー著
八月十五夜の茶屋: 沖縄占領統治1945
がんばれ!ベアーズ大旋風(日本上陸)

The bad news bears go to Japan 
1978

トニー・カーチス
若山富三郎
アントニオ猪木
萩本欽一
石原初音

米リトルリーグのチームを主役とした第一作はウォルター・マッソー&テイタム・オニールのヒット作だったがだいぶトーンダウンした。あのベアーズが日本に野球に来ることになるのだが、何故か皆で猪木と戦ったりします。猪木は空手で瓦割りを披露。若山富三郎率いる日本の少年野球チームが萩本欽一の番組『家族揃って歌合戦』(ジェリー藤尾一家&若原一郎一家が登場!)に出演したり、変なシーンはお約束通り満載。

日本の血気(東京スパイ大作戦)

Blood on the sun
1945

フランク・ロイド監督
ジェームズ・キャグニー
シルビア・シドニー

第二次大戦中、東京在住のジャーナリストが、日本の軍国主義に対抗し戦う。

泉鏡花様より以下の投稿をいただきました。

始めまして。サイトを楽しく読ませて頂きました。「達磨」のページにある『日本の血気』は10年程前レンタルビデオで見ました。原題は“Blood on the sun”です。残念ながら“of the sun”ではありません。舞台は日本で(もちろんハリウッド製のセットの)キャグニー扮する新聞記者が日本の軍部と戦うために柔道を習ってメキメキ上達し、襲い掛かる軍人達を片っ端から背負い投げでハッタハッタと投げ飛ばしまくります。なぜかそのシーンはコマ落としで、音はバックに流れる音楽のみ、サイレント映画を見ているような気になりました。「よし」「いけ」「そう」「なに」等、おかしなアクセントで二語までの日本語しか喋らない極悪な軍人達はみな非日本人ですが、顔立ちが中国人にも見えません。なぜか1945年のアカデミー賞(Best Art Direction for a Black & White film)を貰っています。

ありがとうございました!さっそく原題は訂正いたしました。キャストに苦労がにじみ出ていますね。

映画の友さんからの投稿!

1945年に作られた『東京スパイ大作戦』(BLOOD ON THE SUN)というジェームス・ギャグニー主演の映画がDVD化されています。日本未公開とのことです。『東京ジョー』と比較されたそうです。
第二次大戦直前、日出る国、日本の軍閥の台頭を憂慮し、戦争突入の見解に否定的な仲間を尻目に、一人真実の報道に命を懸けるアメリカ人新聞記者の活躍を描いたアクション・スリラー。

これは『日本の血気』のことでした!映画の友さんもありがとうございました!

  Blood on the Sun
この時代に柔道技での格闘はなかなかじゃないですか?


『東京スパイ大作戦』
武士道ブレード

The Bushido Blade
1980日英米

トム・コタニ監督
フランク・コンバース
リチャード・ブーン
ジェームス・アール・ジョーンズ
丹波哲郎
マコ・イワマツ
三船敏郎
千葉真一

監督は東宝の若大将シリーズの小谷承靖。1854年頃の日本が舞台。天皇から大使を通じてアメリカ大統領に贈られた刀が盗まれるというプロットは『レッド・サン』に似ている。刀を探すために将軍(大名が三船)の命で秘かに侍(千葉)と二人の水兵が派遣される。盗んだ盗賊の黒幕の貴族は丹波、ジョン万次郎をモデルにした英語ペラペラ猟師がマコといった、日本人俳優の黄金のメンバーが出演。『将軍』の二番煎じ的作品。ハーフの女忍者や相撲取りとの力競べなど珍シーン続出で実に楽しい。これが日本人監督の作品だと思うとよけいに楽しい…

千葉真一のフィギュアは

武士道ブレード
Seven Nights in Japan
1976 仏伊

ルイス・ギルバート監督
マイケル・ヨーク
青木英美
丹波哲郎

ジョージ王子が日本女性に恋をする。

prisoner様から情報いただきました。

Seven Nights in Japanの撮影は『太陽がいっぱい』『サムライ』などのアンリ・ドカエで、日本家屋を撮るにはローアングルからとインタビューで語っていました。小津安二郎は知らなかったそうです。

ありがとうございました。

カノープス様からは以下

以前、香港に住んでいたときに見ました。1978年頃だったかな〜。中国語の題名は確か『七夜情』だったと思います。青木英美主演で、丹波哲郎も出てました。内容は日本人が見るとけっこう笑える(苦笑という意味で)映画でしたね。圧巻は京都駅のシーンで、アナウンスが「きょうと〜」と言っているのに画面にはなんと「新狭山」の駅表示が・・・。「こんな映画にも丹波さん出るんだ〜」とある意味、感心しました。さすがに日本国内では上映なかったろうな〜。

これはますます見たい!

大俳優 丹波哲郎
SFソードキル

Swordkill(Ghost Warrior)
1984

J・ラリー・キャロル監督
藤岡弘、
ジャネット・ジュリアン

400年前の日本。激しい戦の末、武士タガ・ヨシミツは激寒の川に転落し、そのまま冷凍漬けになる。時は現代。冷凍侍が現代のロサンゼルスに送られ、研究所で蘇生させられる。言葉の通じない未来の異国で、刀と武士道だけが命のサムライは、研究所を脱出し(刀を奪おうとする研究員をブチ殺して)、ロスの街に出る。サムライが見た文明の利器の数々はどれも驚異。
(彼が叫ぶ「ここはどこじゃ?」という台詞は、当時仲間の間で流行りました)
しかし人心は著しく衰え悪と堕落で退廃しているようにも見える。町人らの「トシロー・ミフネだ!」という台詞を背にサムライは狼藉を働くチンピラどもを次々と叩っ斬り、正義を貫く。しかし、研究所員や警察に追われ…。ラストは悲しいです。大真面目に演じた藤岡弘、はまさに適役!ジョン・ローン主役の珍作『アイスマン』とプロットが似ている。

仮面ライダーのフィギュア

ミステリー・トレイン

Mistery Train
1989

ジム・ジャームッシュ監督
永瀬正敏
工藤夕貴
スティーブ・ブシェミ

日本通で知られるジャームッシュ監督作品。三組の登場人物によるエピソードからなるオムニバス映画で、その中の『ファー・フロム・ヨコハマ』と名付けられたものが日本から来た若いカップルが主人公の話。今やすっかり国際派女優となった工藤夕貴が本格的海外進出のきっかけとなった。永瀬は無愛想・無表情の日本人青年役でとてもいい味を出している。エルビス・プレスリーに憧れてメンフィスにやってくる日本人という役で、ほとんど二人の台詞は日本語なのだが、「サンキュー」をやたら連発する工藤が面白い。「英語ができない」ということはこういうことなのねと実感させられた。足で火をつけるジッポーと永瀬の口紅は工藤のアイデアだそうだ。カンヌ映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞した。製作は日本ビクター。

パニッシャー

The Punisher
1989 豪

マーク・ゴールドブラッド監督
ドルフ・ラングレン
ルイス・ゴセット・Jr.
キム・ミヨリ
ナンシー・エヴァーハード
ジェローン・クラッベ

人気のアメリカンコミックの映画化作品である。妻子を殺された元刑事が処刑人(ザ・パニッシャー)になって悪の組織をやっつけるといった内容なのだが、イタリアンマフィアとヤクザに復讐をするといった内容で、ヤクザの描かれ方が凄い。ヤクザはニンジャのような武器を使う謎の集団で、高層ビルの最上階にアジトがある。秘密のエレベータを降りるといきなり剣道場でヤクザたちが稽古に励んでいる!しかも壁のほとんどが障子で出来ている。アジトなんだからもっと堅牢な作りにした方が良い。セキュリティーもなってないぞ!ヤクザのボスは残忍な女(キム・ミヨリ)で、このアジトでゲイシャスタイルで日本舞踊のようなものを踊っている。何故だ?彼女がマフィアに凄んで言う「お前たちの先祖が羊飼いをしていた頃から私たちは悪の貴族だったのよ!」の台詞にはまいった。

 The Punisher trailer

パニッシャー
リトルトーキョー殺人課

Show Down in Little Tokyo
1991

マーク・L・レスター監督
ドルフ・ラングレン
ブランドン・リー
ケリー・ヒロユキ・タガワ
ティア・カレル

麻薬ルート拡張を図りロサンゼルスに進出して来たヤクザ組織(ボスがタガワ)。その悪を阻止しようと挑む、ロス市警アジア特捜隊のバイオレンス刑事コンビ(ラングレン&リー)を描いたB級アクション。「変な日本」満載で、この手の入門者向け作品。尺も短いし気軽に見られておススメです。ヤクザが刀を振り回して腕を叩き切ったりと残酷シーンはお決まりだし、ドルフ・ラングレン(日本通という役)が凶悪なヤクザどもに向かって片言で「イケナイ!」とか言う。情けない。イケナイで済むならケーサツは要らない!隠れ家の日本風の屋敷も変だし、武器の入った箪笥の裏に貼ってある紙にはイロハ歌が途中から書かれている。誰か「これは違う」とか言ってくれる人はいなかったのか!?ブランドンは日本人とのハーフという設定だった。父(ブルース・リー)が『グリーン・ホーネット』で日本人役をやっていたことを思い出した。ブランドン・リーはアクションもいいし、ハンサムだし大スターになる可能性があったと実感する。『クロウ/飛翔伝説』もよかったしね。それにしてもタガワは恐い顔をしているなあ。『ウェインズ・ワールド』やタガワも出ていた『ライジング・サン』のアジア系女優ティア・カレルが日本人ヒロインとして登場するが、どー見てもフィリッピン人にしか見えないのもご愛嬌。

 Showdown in Little Tokyo trailer

レッド・サン

Soleil Rouge(Red Sun)
1971

テレンス・ヤング監督
アラン・ドロン
チャールズ・ブロンソン
三船敏郎

時代は江戸末期(=西部劇の時代)。黒田(三船)をはじめとする三人の侍が将軍の命を受け、米国大統領に贈呈する宝刀を携え修好のためアメリカにやって来る(もちろんサムライのいでたちである)。一行が乗った特別列車には大量の金貨も乗せられており、それを狙ったならず者のガンマン(ブロンソンとドロン)一味に襲われる。三船の部下が殺され、宝刀を奪われたため、三船は宝刀奪回を目指してガンマンに挑む。一方ガンマン一味は仲間割れを起こし、ボス=ブロンソンを裏切って金を独占しようとしたドロンが列車もろとも爆破する。ブロンソンは重傷を負うが三船に助けられて一命を取りとめる。恩義を感じたブロンソンは三船と手を組み、ドロン一味への復讐と宝刀奪還を目指して戦いが始まる…という無茶苦茶な設定の西部劇。英米仏の大スター揃い踏みが話題となった。「責任感の厚い日本人」が強調されているのがミソか。三船は堂々と武士道に則った侍を演じていてなかなかかっこいい。それにしてもピストルに刀で戦うというのは無理だ無理

TOKYO POP
1988
フラン・ルーベル・クズイ監督

田所豊(ダイヤモンドユカイ)
キャリー・ハミルトン

ロック・ミュージシャンを目指して日本にやって来た(アメリカでは通用しないと思ったのか、何故日本に来るのか?なめている)女の子が、日本で苦労しているうちに同じくロック青年と知り合って、少しずつ日本に慣れてくるといった月並みな物語。。元レッド・ウォーリアーズの田所がロック青年を演じる。


Tokyo Rose
1946

ルー・ランダース監督
バイロン・バー
オサ・マッセン

第二次大戦中、プロパガンダのためNHKが南太平洋戦線の米軍向けに放送をした女性DJ通称「東京ローズ」をめぐる物語。ブレーク・エドワーズが端役で出演しているらしい。


Fengyeging

Fengyeging(Forever my Love)
1952

ポール・スローン監督
クリス・ドレーク
ミツコ・ミムラ
ヘンリー・ナカムラ
菅井一郎
撮影:ハリー三村

調査中


日本人の勲章

Bad days at Blackrock
1955

ジョン・スタージェス監督
スペンサー・トレイシー
ロバート・ライアン
リー・マービン
アーネスト・ボーグナイン
ウォルター・ブレナン
アン・フランシス

日本人は一切出演していない。第二次大戦直後のアメリカ西部のごく小さな村に、かつてコマコ(男である。川端康成『雪国』の駒子を参考にしたか?)という日本人が住んでいた。そのコマコを尋ねて一人の中年の男マクリーン(スペンサー・トレイシー)が村にやって来る。閉鎖的で排他的な村の人々はこの男を不審に思い、様々な嫌がらせをして追い出そうとする。マクリーンの目的はコマコの死んだ息子(マクリーンの戦場での命の恩人という設定)が軍から授与された勲章を届けに来たのだが、すでにコマコは何者かに抹殺されていて…。という一流のサスペンス・ドラマになっている。日本人に対する偏見や敵意が正直に語られている。ただし、ラストで「日本人の勲章」が救いとなって描かれる。とにかくキャストが皆素晴らしく良く、主人公のトレイシーはカンヌで最優秀演技賞を受賞した。酒場での村人からの嫌がらせに我慢に我慢を重ねたトレイシーが、ついに怒りを爆発させ、片手だけでボーグナインを殴り倒すシーンは爽快だ。これ↓

 Bad Day at Black Rock Fight


ハンテッド

The Hunted
1995

J・F・ロートン監督
クリストファー・ランバート
ジョン・ローン
ジョアン・チェン
島田陽子
原田芳雄
岡田真澄
夏木マリ
音楽:鼓童

名古屋に商用でやって来た外国人ビジネスマン(ランバート)は、偶然出逢った日本人女性(チェン)と恋に落ち、一夜をともにする。しかし、突然忍者(ローン)が現れて彼女は殺され、ランバートも重傷を負う。何とか逃げたランバートは何故かさらに忍者の襲撃を受けたため、忍者を宿敵とする侍の子孫(原田)の元に身を寄せるのだが…。
トンデモシーンが続出のこれこそ王道だ。変な日本というだけでなく、ストーリーそのものが変だ。矛盾だらけ。極め付けは新幹線の中の忍者とチャンバラ。巻き添えになって何の関係もない乗客たちが忍者に皆殺しにされる。凄い…。ジョン・ローンは悪い忍者のリーダー。忍者たちに英語で指示する。チャンバラの動きは抜群だったが、彼はもともと京劇出身だったんだね。でもこんな映画に出てたんじゃあ。ジョアン・チェンとは『ラスト・エンペラー』で共演し、アカデミー賞の授賞式では二人でプレゼンテーターまで務めたのに。ラスト、城でのチャンバラ。ランバートはただのサラリーマンだったが刀鍛冶に剣術を教わり、忍者マスターのローンと互角に渡り合う。しかも勝ってしまうのだ。ふう。

 The Hunted pt.2 Samurai Vs. Ninja←これが新幹線の。笑ったらだめなんだ。きっと。

ランバートの『ハイランダー』のフィギュアはで。

ハンテッド【字幕版】
カブキマン

Sgt.Kabukiman N.Y.P.D.
1990日米

ロイド・カウフマン監督
リック・ジャナシ 

日本人一家惨殺の捜査をしていたニューヨーク市警の刑事が、老歌舞伎役者の力により無敵のヒーロー、カブキマンに変身し、悪と闘う。必殺技は日本刀、下駄、割り箸、海苔とワサビなど。カブキのいでたち(暫【しばらく】という正義の味方に似ている)の異色のヒ−ロー。ニンジャ・芸者・相撲とんでもない日本を題材に、はちゃめちゃな世界が展開する。当時センセーショナルな話題を呼んでいたC級映画の帝王ロイド・カウフマン率いるトロマ社が手がけた怪作。実は日本のナムコとギャガが参画した、これは確信犯。仕掛け人・原案は現在映画評論家として活躍する江戸木純氏で、謎の仙人?役で出演もしている。割り箸攻撃には爆笑した。

 SGT. Kabukiman NYPD Trailer←これは笑わなきゃだめなんだ。その辺の公園で適当に撮っているのが面白い。

カブキマン
悪魔の毒々モンスター東京へ行く

The Toxic Avenger Part2 
1989

ロイド・カウフマン監督
桂木麻也子
安岡力也
関根勤

『悪魔の毒々モンスター』シリーズの第2弾。毒々モンスター、メルビンのおかげで平和になったトロマビルの村が、悪徳企業アポカリプス社に乗っ取られようとしている。アポカリプス社は邪魔な毒毒モンスターの力を無くす薬を日本で開発するが、「危険物」なので持って来ることができない。仕方なくメルビンの精神科医を買収し、メルビンを日本に行くように差向ける。会ったことのない父と会えば精神的な落ち込みは治るとか説得するのだ。何とメルビンの父は日本人だという。滅茶苦茶なこじつけだ。さて、あの風体で飛行機に乗っていくのだろうかと期待していたら、何とサーフボードで太平洋を渡るのだ。さすが。そうして無事お台場に着いたメルビン。たまたま犯罪に巻き込まれていた女の子(桂木麻也子)を助けて友達になり、彼女の案内で一緒に行方不明の父を探すことになる。東京タワー・浅草・渋谷・新宿・原宿などハトバスツアーみたいな所を回り、お約束の電車のラッシュや神社やパチンコや竹の子族?蕎麦のロウ細工のサンプル、歌舞伎座などを紹介。何故だ?ともあれ、父親が魚屋という情報を得て、築地の魚河岸も訪れるが、佃島に住んでいるということで、早速向かう。あとはほとんど佃島界隈が舞台となる。そこでようやく父ビッグ・マック(安岡力也)!に出逢う。ところがこの父はとんでもなく悪い奴で、なんと毒毒を消す薬を作ったアポカリプス社の手先だった。忍者やオカマの手下どもがメルビンに襲いかかる。しかしそんなのにやられるメルビンではない。何故か銭湯の女湯に突っ込んで敵を釜茹でしたりしてすべて撃退する。最後は何故か(「何故か」が多いなあ)相撲取りに変身した父=力也さんとメルビンが決闘!メルビンの必殺技で魚屋に投げ飛ばされた力也さんは魚屋の包丁に切り刻まれて死んでしまう
ふう。実の父を殺して落ち込んだメルビンは気を取り直して相撲ジムに入門し、相撲の極意を授けられて回復(このシーン、何故かBGMが『アメージンググレイス』)。アポカリプス社にすっかり牛耳られた故郷に急いで引き返す(もちろんサーフボードで)。 ね、観たくなるでしょう?
関根勤はラジオ局のアナウンサー?役であちこちに登場するが、どうでもいいようなギャグ(これがかえって面白かった)をかましていた。前作『悪魔の毒々モンスター』を初めて見た時パート2ができるなあと思ったけど、まさか日本に来るとは思わなかった。
C級映画のお手本みたいな作品。ギャガがバックアップしており、『カブキマン』同様江戸木純が脚本に関わっている。永井豪など、関係者も大勢カメオ出演している。
AV嬢の桂木麻也子が綺麗だ。さて、カウフマンは今何してるのだろう?

 Toxic Avenger Part II Trailer←普通さあ、魚屋が「相撲取り」と「魚」を間違えて刺身にしたりしないよなあ。

ガン・ホー

GUN HO!
1986(劇場未公開)

ロン・ハワード監督
ゲディ・ワタナベ
マイケル・キートン
ミミ・ロジャース
山村聰

日米経済摩擦に揺れ、ジャパン・バッシングの時代。アメリカの自動車工場にやって来た日本人メーカーの社員との摩擦・軋轢をおかしく描くコメディ。従って変な日本の習慣などが続々登場するのだが、日本人も首をかしげるものが満載である。第一タイトルの「ガン・ホー」は中国語(突撃!の意)。日本人社員たちが朝礼でラジオ体操をするのは分るが、川に浸かって祈願したり、標語を身体に張り付けたりしてるシーンなど、おいおい。
親睦のため日米に分かれて草野球をするシーンで、日本人チームが皆バントばかりでコツコツ点を入れるのは大笑いだった。主演のゲディ・ワタナベの日本語は無茶苦茶。故山村聰が堂々の出演。TVシリーズにもなった。

 Gung Ho Clip

蝶々夫人

Madame Butterfly
1955
日伊

カルミネ・ゴローネ監督
脚本協力 森岩雄
八千草薫
ニコラ・フィラクリディ
田中路子
中村哲
小杉義男
高木清

八千草がチョーかわいい!おなじみのプッチーニのオペラを映画化。八千草以下宝塚歌劇団などの30人ほどがイタリアの名門チネチッタスタジオに行って撮影したという。ただし歌はオペラ歌手の吹き替え。東宝と宝塚が全面的に協力しているので美術・衣装・踊りは違和感がなく、素晴らしい。だが、ナレーションが英語、台詞の一部が日本語、歌はイタリア語とめちゃくちゃだ。


Psycho Sushi
1997

ゲディ・ワタナベ
中村佐恵美

調査中


ヨシワラ

YOSHIWARA
1936仏

マックス・オフュルス監督
ピエール・リシャール=ウィルム
田中路子
早川雪洲

調査中


二十四時間の情事

Hiroshima,Mon amour
1959フランス

アラン・レネ監督
岡田英次
エマニュエル・リバ
ベルナール・ブレッソン
マルグリット・デュラス原作

広島にロケに来たフランス人女性と日本人建築家との情事。過去の戦争の悲劇が回想の中で蘇り…。実に素晴らしい映画だった。原爆ドームの他原爆記念館なども描かれる。また原爆投下直後の悲惨な情況も再現されている。岡田英次はちゃんとフランス語を話している。ハンサムで魅力的な日本人俳優だ。もっと世界に出て欲しかった。製作に大映の「機関車」永田雅一社長が名を列ねている。

 Hiroshima mon Amour part2 二十四時間の情事
当時の世相や核問題を丁寧に描き映画としての完成度が高い。

最近になって主演女優エマニュエル・リバが広島ロケ中の合間に撮った写真がパリで発見され、出版された。1958年の広島の貴重な写真!→『HIROSHIMA 1958

燃えよニンジャ

Enter the Ninja1981

メナハム・ゴーラン監督
フランコ・ネロ
スーザン・ジョージ
クリストファー・ジョージ
ショー・コスギ

ショー・コスギの名を一躍高めたニンジャ映画の第1弾。オープニングで彼が見せる技はさすがに圧巻。ただし主役はフランコ・ネロで、コスギは悪役。ネロは白い忍者装束で、なかなか殺陣も空手も様になっている。冒頭で日本で忍者同士の対決が描かれるが、どう見ても日本ではない。その後の舞台はマニラになり、ネロが親友の土地の乗っ取りを企む企業と戦う正義の男を演じる。忍者には忍者をと企業に雇われたハセガワ役がコスギ。二人はかつて同じ師を持つライバルであった。ラスト、スタジアムでは互いに礼をした後死闘が展開する。今も修業を続けている忍者そのものが変な存在だが、ハセガワを紹介する映像を見るシーンが見どころ。コスギのバックの壁には日本語のいたずら書きがある。「オカマ」「日本国」「豚」に加えて「マナハム」とある。これはこの映画の製作・監督の名前だ。道場の上座に飾ってある「忍」の字もそうだが恐ろしく下手な字なのが面白い。

 Enter the Ninja: best intro ever

ニンジャ2修羅ノ章

Revenge of the Ninja
1983 サム・ファーステンバーグ監督
ショー・コスギ
キース・バイタリ

『燃えよニンジャ』と同じキャノンの製作だが、続編ではなく、今度はショー・コスギを主役に据えた記念すべき作品。密輸組織の陰謀に巻き込まれ、一家を惨殺されたニンジャ(コスギ)。封印されていた刀を取り上げ、ついに怒りが爆発。殺人相撲レスラーの登場や、金閣寺のバックに思いきり「東京」とテロップが出るなど、大笑いシーンが続出。道場の廊下に石灯籠があったり、強そうな敵は袴を後ろ前に着ていたりする。コスギの息子でまだ小学生のケイン・コスギも出演。

 Revenge of the Ninja Trailer

ニンジャ(ビデオ題:ニンジャ転生ノ章)

Ninja3 The Domination
1984

サム・ファーステンバーグ監督
ショー・コスギ
ルシンダ・ディッキ−

うっひょーこりゃまた変な日本満載!警察に負われ傷ついたニンジャが、通りかかった若い女性に「助けてくれ。刀をあげるから!」といって息絶える。刀を貰った女にニンジャの霊が取り憑き、女は最強のニンジャに転生し、警察に復讐するのだ。ショー・コスギはその霊を退治し女性を救う黒忍者として登場。
ビデオ発売でヒットしたため後に劇場公開した。その際コスギが凱旋帰国、記者会見の席ではあまりの母国での歓迎ぶりに感激して泣いていた。

ニンジャ映画に関しては、大充実のサイト『ニンジャ映画の世界』へGO!

 Ninja 3 Domination part 1
冒頭、悪ーい忍者がゴルフ場で大暴れ!マヌケな警官たちも見どころですね。
復讐遊戯

Rage of Honor
1986(劇場未公開)

ゴードン・ヘスラー監督(ロジャー・コーマン門下)
ロビン・エバンス
ルイス・ヴァン・バーゲン
ショー・コスギ

秘密捜査官シロー(コスギ)はある凶悪組織を追っていたが、同僚を惨殺されてしまう。さらに組織を探ると、政府の重要機密を狙っていることが分る。だがシローの妻が誘拐され、シローの怒りが爆発。たったひとりで組織に立ち向かう。ニンジャから脱却をはかったコスギが正統なアクションに挑戦。ボートを使ったチェイス・シーンなど、けっこう見せ場たっぷりで割と楽しめる。日本ではビデオ発売のみ。邦題の頭に「ショー・コスギ’88」とついている。因みにこの邦題を作ったのは当時ビデオ発売に関わっていた僕です。すみません。

 Rage of Honor - Sho Kosugi

復讐遊戯

Kabuto(Journy of Honor)
1991

ゴードン・ヘスラー監督
ショー・コスギ
クリストファー・リー
三船敏郎
高田美和
清川虹子
ジョン・リス・デイビス

ショー・コスギが念願の映画製作に乗り出した思い入れたっぷりの作品で自ら原作も手がけている。最新式の鉄砲を手に入れるため家康の命を受けた侍マエダがスペインに渡る。そこに待ち受けていた敵や困難を描くアドベンチャー時代劇で、コスギが憧れていた役者総出演。息子ケインも出演している。


東京画

TOKYOーGA
1985独

ヴィム・ヴェンダース監督
ベルナー・ヘルツォーク他

小津安二郎監督をめぐるドキュメンタリー映画。日本の風俗と景色を背景に小津監督縁りの笠智衆や厚田雄春らにインタビュー、小津監督の人物像や名作の秘密に迫る。御多分にもれず、ガイジンが興味津々の「パチンコ」「鑞細工の食品サンプルの製作現場」(これは日本人にも面白いけど)などがしつこいくらい出てくる。小津映画は日本人として誇りに思うけど、よけいな描写はなあ…。

 Tokyo-Ga - Pachinko & Mu

夢の涯てまでも

Till The End of The World
1991日米独仏豪合作

ヴィム・ヴェンダース監督
ウィリアム・ハート
サム・ニール
ジャンヌ・モロー
マックス・フォン・シドー
笠智衆

米・日・独・仏・豪の五ヶ国合作による世界ロケの他、NHKの全面協力によるハイビジョンの導入など何かと話題の多かったヴィム・ヴェンダース監督による近未来SF。1999年、核衛星の墜落が予測され世界は恐怖におののいていた。ヴェニスからあてもなく車で旅に出たクレアは道中、何者かに追われているトレヴァーと出会い、彼の後を追うことにする。元恋人の作家ユージーン、私立探偵ウィンターと共に、リスボン、モスクワ、北京へとトレヴァーを追うクレア。実はトレヴァーは、盲目の母親の為に脳に映像を直接送り込む事のできる父の発明したカメラを持って、世界中を旅していたのだ……。この頃のヴェンダースは評論家やいわゆるトレンディな人たちにもてはやされていたが、この映画以降急に人気が衰えてしまった。小津監督に憧れているのはよくわかるのだが、日本を舞台にしてしまっては…。

夢の涯てまでも

↓映画そのものはアレだが、U2によるタイトル曲や、トーキング・ヘッズ、REM、デペッシュ・モードらが参加したサントラは抜群の出来!
太陽にかける橋

Bridge to the Sun (Pont vers le soleil )
1961 仏

キャロル・ベイカー
ジェームズ繁田
ジェームズ八木
丹波哲郎

第二次大戦前、日本人外交官のもとに嫁いできたアメリカ人女性がいた。彼女は、日米の友好の為に尽力する……。実在の女性、グウェン・寺崎の半生を描いたドラマ。

グウェン・寺崎の娘はマリコといい、この名は日本の外務省の米国駐在外交官寺崎英成(父)と本省との電話暗号に使われた。この本はその日米開戦秘話を綴った本。→


太陽にかける橋ペーパータイガー

Paper Tiger
1976

ケン・アナキン監督
三船敏郎
デビッド・ニーブン
ハーディ・クルーガー
高美以子
アンドウ
音楽:ロイ・バッド

東南アジアの某国が舞台。日本の大使(三船)の幼い息子コウイチがイギリス人の元軍人の家庭教師ブラドベリー(ニーブン)とともに、テロリストに誘拐される。コウイチと教師は脱出に成功するが…。というサスペンス。実は教師は元軍人ではなく、ただのペテン師だったが次第に二人の間に師弟を越えた友情が芽生えるというヒューマンドラマが加わった佳作。大使館には剣道場や畳障子の部屋があり、普段大使は妻(高美以子)と着物で生活している。息子を誘拐された後、彼は気合いを入れるため飾ってあった刀を取り、えいとばかり素振りをする。またコウイチは『少年サンデー』を読むが、その中に父(三船)と教師(ニーブン)の対決が劇画でイメージされていて、やたらおかしい。

以下、たこら様の投稿です

『太陽に架ける橋…ペーパータイガー』に出演している『アンドウ』は安藤一人さんです。  安藤一人さんは『小さなスーパーマン ガンバロン』の主役・天童輝を演じた役者です。お仕事がどこかのサイトでまとめられていたように思います。

ありがとうございました。調べてみましたら公式サイトがありました。
http://homepage2.nifty.com/andy_kazu/

太陽にかける橋
ミスター・ベースボール

Mr.Baseball
1992

フレッド・スケピシ監督
高倉健
トム・セレック
塩谷俊

メジャーリーグを首になった大リーガーが中日ドラゴンズに入り活躍するという中日ファンが狂喜しそうな映画。しかもその中日の監督役が健さんだぜ!(当時監督だった星野とは明大つながりか?)
セレックが日本式野球や生活に馴染めずアタフタするのが面白い。ご飯に箸を突き立てて怒られたり。アメリカ人は皆こんな風に感じているんだろうなと思うと悲しくなるが。撮影は名古屋近辺でロケを行い、ナゴヤ球場に本物の中日ファンがエキストラとして集められて行われた。ベースボールでない「野球」は『ガン・ホー』同様やっぱりバントが肝ですね。
ミスター・ベースボール
サヨナラ

SAYONARA
1957
ジョシュア・ロ−ガン監督
マーロン・ブランド
高美以子
ナンシー梅木
レッド・バトンズ
リカルド・モンタルバン
デニス・ホッパー
ジェームズ・ガーナー

朝鮮戦争の米空軍パイロットたちが来日し、日本の歌劇団の踊り子たちと恋に落ちる。原作は『南太平洋』『トコリの橋』で日本にも馴染み深いジェームズ・A・ミッチェナーの同名小説。
日本にやって来た軍人とかはたいてい芸者か踊子と恋に落ちるのだね。当時は「禁断の恋」ということで心中をしてしまうカップルの話など悲劇的に描かれている。『スター・トレック』でおなじみのリカルド・モンタルバンが何と歌舞伎役者を演じている(もちろん英語ペラペラです)。まだドロップアウト前のホッパー青年も出ている。ナンシー梅木は日本人俳優としては唯一のオスカー受賞。梅木の夫役のレッド・バトンズも助演男優賞を受賞。美術監督・装置賞、録音賞と4つのアカデミー賞を受賞した名作。

 Sayonara `Ending`
東京暗黒街 竹の家

House of Banboo
1955

サミュエル・フラー監督
ロバート・スタック
ロバート・ライアン
シャーリー山口(山口淑子)、
早川雪洲

終戦後まもない日本が舞台。占領軍の武器がギャングに奪われ、日本の敏腕刑事(雪洲)とアメリカ憲兵隊の大尉が協力して捜査に乗り出す。ギャングの一味の恋人が日本人女性マリコ(山口)であることを突き止め、彼女に協力を求めるのだが…。
まず日本人は竹で家を作りません!それから風呂!居間のど真ん中にはないって!この手の映画にはどうして風呂ばかり出てくるのだろう。それはともかく昭和30年頃の浅草あたりの風俗や風景を見るのには最高の資料。ラストの浅草の松屋デパートの屋上での銃撃戦が見どころ。当時観客は山口淑子が後に政治家になるとは夢にも思わなかったろう。台詞のある日本人はたぶん日系人。日本語が変だ。早川雪洲もアメリカ暮らしが長いせいか変になってしまっている。因みに冒頭の富士山麓で貨物列車が襲撃されるシーンはわざわざ昔のSLを走らせ撮影した。その間利用客はバスで振り替え輸送をしたそうだ。さすがハリウッド!

 House of Bamboo trailer (1955)

嬉し泣き

Cry for Happy
1961

ジョージ・マーシャル監督
グレン・フォード
ドナルド・オコナー
高美以子
ナンシ−梅木
ジェ−ムズ繁田

戦後まもない日本が舞台にしたロマンティック・コメディ。横須賀のボロボロの基地に駐留するアメリカの海軍報道写真班(班長がフォード)たちが、日本人の映画プロデューサーと取引をし、撮影機材を貸す代わりに引越し先としてある屋敷を紹介されるが、そこは何と芸者の屋敷。手違いから芸者たちと同居することになる。その頃、班長は新聞社のインタビューで「戦争孤児のために尽くしている」と答えてしまい、孤児院を作ることになってしまう。しかし、司令官がそのインタビューに感動してそこに視察にやって来ることになって、ゲイシャハウスは急遽「孤児院」に改造されることに。ゲイシャたちの機転で何とか司令官の眼をごまかすのだが…。『サヨナラ』と同じ高美以子と梅木が主演するが、こちらは一転して楽しい喜劇になっている。

 Derry: Cry for Happy


歩け走るな!

Walk , Don't run
1966

チャ−ルズ・ウォ−タ−ズ監督
ケイリー・グラント
高美以子
サマンサ・エガー
ジョージ・タケイ
ジム・ハットン
音楽:クインシー・ジョーンズ

東京オリンピックが舞台のロマンティック・コメディ。オリンピックの取材に来た男(グラント)が手違いで宿が取れず、やむを得ず若い競歩の選手とともに日本女性の住むアパートにホームステイすることになる。グラントは計らずも選手と彼女の恋のキューピットとなってしまう…といった内容。

 Walk, Don't Run


忘れえぬ慕情

A Girl Named Tamiko
1962(劇場未公開)

ジョン・スタージェス監督
ローレンス・ハーヴェイ
フランス・ニュイエン
ナンシー梅木

岸恵子主演の日仏合作映画と同名のため混乱してしまうが、こちらは劇場未公開。TV放送時のタイトルが偶然同じだったらしい。ハーヴェイは日露のハーフのカメラマン役で、日本にやって来て日本人女性タミコと恋に落ちる。彼には恋人がすでにいて二人の女性の間で悩むといった内容。タミコ役ニュイエンは『南太平洋』『ジョイ・ラック・クラブ』にも出演していた。後に『荒野の七人』『大脱走』といったアクション大作で名を上げたスタージェスが意外にもこんなラブ・ストーリーを手がけていたとは。音楽は巨匠エルマー・バーンスタイン。


東京ジョー

Tokyo Joe
1949

スチュアート・ヘイズラー監督
ハンフリー・ボガート
早川雪洲

戦後間もない日本を舞台にしたハードボイルド映画。ボガードはかつて東京でレストランを経営していたジョーという役柄。日本に戻った彼は元妻が戦争中に反米活動をしていたことを日本の男爵(雪洲)から知らされる。占領軍に知れたら彼女は戦争犯罪者となってしまう。男爵が秘密を守ることを条件に、ジョーは男爵が密かに行っている戦争犯罪者の救出活動に加担することになるのだが…。『カサブランカ』を彷彿とさせられるが、貧しい日本の姿を見せられるので、あまり楽しい感じはしない。
この映画の製作に当たっては、昔から雪洲に憧れていたボガードが、自ら出演を依頼して共演が実現した。戦後行方が分らなくなった雪洲をボガードは必死に探していた。それがたまたま新聞記事になり、それを読んだ一読者から「雪洲はパリに住んでいる」という情報をもらい、ようやく連絡がとれ無事オファーすることができたという。
映画には「戦後まもない東京」が出てくるが、ボガードは明らかにロケには参加していない。二人の出演する室内シーンはすべてハリウッドのスタジオセットで撮影されている。従って何だか中途半端な日本風バーだったりする。登場する日本人も日系の人たちで当然変な日本語を操る。
トーキョージョー』はブライアン・フェリーの曲としても有名。

 ザ・ヤクザ

The Yakuza
1974

シドニー・ポラック監督
ロバート・ミッチャム
高倉健
岸恵子
ブライアン・キース
岡田英次
ジェームズ繁田
ハーブ・エデルマン
郷瑛治(頭の刺青が凄い!)
撮影:岡崎宏三
音楽:デイブ・グルーシン
テーマ曲作詞:阿久悠

テーマは「義理」。原作はレナード・シュレーダー、脚本は兄(弟?)ポール・シュレーダー。ストーリーはよく出来ている。東映が全面協力しているので、トンデモナイ日本はあまりない。これみよがしに仁義や賭場、入れ墨・新幹線・パチンコ・虚無僧などの風俗が現われるがOKの範囲。ただし問題はハリーが風呂で刺客に襲われるシーン。錦鯉の生け簀が風呂のど真ん中にあって女風呂が曇ガラスで透けて見えたりするのが玉に瑕。こんな風呂があったら大盛況だろう。ミッチャムはけっこう日本語をしゃべる。エンディングクレジットの日本人の名前の表記は姓・名の順になっている。この映画の企画にロバート・アルドリッチはリー・マービンを主役にして監督をしたがった。それが叶わず、次に健さん主役で御木本幸吉(真珠王です)の物語を企画、シナリオまで書いていたらしいが、惜しくも亡くなってしまった。現在、リメイクの企画が進んでいるらしいが不詳。『大俳優 丹波哲郎』によればジェームズ繁田の役は丹波さんが演じていたのだが、彼の常で台詞を覚えずにスタジオに行ったりしたのでクビになったそうだ。完成した映画を観たらずっと台詞が少なかったそうなので、繁田に変わってから削られたらしい。


 the yakuza

ザ・ヤクザ
ミシマ

MISHIMA:A Life in Four Chapters
1985(日本劇場未公開)

ポール・シュレーダー監督
緒形拳(三島由紀夫役)
沢田研二(映画中映画『鏡子の家』の主人公、美青年収役)
倉田保昭(タケイ)

作家・三島由紀夫の生涯を描く純ハリウッド映画。
三島の『金閣寺』『豊穣の海第二部・奔馬』『鏡子の家』の三作品が映画中劇として、それと三島が自決をするまでのエピソードと合わせて「4チャプター」となっている。映画中劇はわざと書割のようなセットで幻想的なイメージで描かれ、面白い効果を挙げている。それぞれのエピソードに当時日本映画では主役級の豪華な俳優陣がキャスティングされている。三島役は当初坂本龍一にオファーがあったとされる。
三島の遺族の要望で日本では劇場・ビデオとも未公開。僕は輸入LDを一度だけ見たことがある。事実とはかけ離れた所は多いがかなりマジに作られた傑作だと感じた。緒形拳の迫真の演技は最高の部類に入る。日本公開を切に望む。
カンヌ映画祭最優秀芸術貢献賞受賞(美術・衣装は石岡瑛子)。
三島由紀夫原作の映画『午後の曳航』などはこちら


三島由紀夫についてはこちら。

以下Tanu2様からの情報。

はじめまして、すごい面白いっす!フラフラ流れてきたました。
で既出ならスミマセンが、『ミシマ』はビデオ化されてたことがあります。
というのもレンタルで借りて見たことがあるからなんです。たぶん再販はされてないとは思いますが。劇場でも限定公開されたことがあったような気がします。
では続きを読んできまーす。

これが実は確かでないですね。ビデオは輸入盤じゃないでしょうか?もちろんそうだとしたらレンタルは違法なので確認はできないと思いますが。(昔、僕は東京の荻窪のビデオ屋さんでまだ国内で発売されていなかった黒澤映画の輸入盤ビデオが置いてあって借りまくったことがあります。何と英語の字幕入りでした)劇場上映に関しては東京のミニシアターでレイトショーくらいはやったかも知れません。どなたか「見た!」という人の情報を求めます!Tanu2様ありがとうございました。

『ミシマ』に関しては皆様から情報やご意見続々いただいています。
MINORU様より以下

三島の遺族の要望で日本では劇場・ビデオとも未公開。
劇場上映に関しては東京のミニシアターでレイトショーくらいはやったかも知れません。
『ミシマ』は日本では劇場公開されていません。映画の内容を遺族が気に入らなかったらしく、日本での公開を認めないという事になってしまいました。俗に言うお蔵入りってやつですね。
『ミシマ』のビデオは、15年位前になりますが、アメリカで発売されたものを輸入してレンタルしている店が結構ありました。ヘアー・ヌードの場面があり、その部分が消去されていましたよ。LDで観たユニオシさんは幸せです。(笑)

ありがとうございました。ヘアー・ヌード??記憶にないんだなあ。

猫屋陽平様より以下。

はじめまして。突然の書き込み、失礼します。
私も『ミシマ』を調べていましたら、このHPにたどり着きました。 今日、新宿と渋谷のTSUTAYAをあたってみました。昔は取り扱っていたようですが、今はもう扱っていないようです。残念です。
レンタルでも販売でもかまいません。もしも、このビデオを扱っている店を知ってらっしゃる方がいましたら、ぜひ教えてください。

で、与太様より以下
『ミシマ』を手に入れる方法
『ミシマ』のDVDはアメリカ西海岸の大きめのCD屋(タワー、ヴァージンなど)ではどこでも置いています。あっちに行くのは大変なので
http://www.fantasium.comでは$19.98+送料
http://www.amazon.com/では$17.98+送料(安い中古もある)
で買ってみんなで回せばそんなに高い買い物ではないと思いますが。 あちこち探し回る手間と時間を考えると取り寄せをお勧めします。ちなみにリージョン1です。PCで加工してからでないと鑑賞できないっす。

ありがとうございました。ちょっと面倒ですねえ。

平岡きみたけ様(これって三島の本名ですね)より以下

米映画『ミシマ』を見ました。
『ミシマ』の制作年を調べていたらここに辿りつきました。
僕は普通にレンタルビデオで借りてみたのですが(大手チェーン店です)
この作品は日本公開されていないのですね? パッケージが英語だけだったので不思議に思っていましたがこのHPを拝見して納得しました。さすがハリウッド映画だけあって日本の有名な俳優がたくさん出ていて何げに豪華です。誰かと思えば利重剛とかマニアックなキャスティングもあります。
内容は三島の自伝というより作品をコラージュした感じでしょうか?
「ああ、これは仮面の告白」「こっちは金閣寺ね」といった具合にシーンがつながれています。 三島作品に詳しい方なら楽しめる内容では。

そうですね。三島文学が外国で相当読まれている証拠でしょう。

サトウ様からは以下

はじめまして、ネットサーフィンをしているうちに発見しました。
明らかに『ミシマ』の輸入版ビデオを複数のビデオショップで見たことがあります。都内で2件、北海道で1件で、いずれもGEOでした。しかし都内の1件は閉店したみたいですし、北海道の方はビデオからDVDへの移行時に処分したようで既に扱っておりません。amazon.comなどでDVDは流通しているみたいですし、P2Pなどでも出回っているようですよ。

ありがとうございました。アマゾンではサントラは扱っていました。音楽はフィリップ・グラスです。右です。三島作品の映画化は最近『春の雪』がありましたが、あの文学の傑作『豊穣の海』の1%くらいしか表現できていなかった。「あまりにも完成されている文学」の映画化は本当に困難だと思いました。

ではYouTubeで。
 Mishima: A Life in Four Chapters TRAILER

 The Opening Sequence Of The Film 'Mishima'


スタッフ・キャスト詳細は以下
製作総指揮:フランシス・コッポラ
ジョージ・ルーカス
製作:山本又一郎
撮影:ジョン・ベイリー
脚本:レナード・シュレーダー
ポール・シュレーダー

チエコ・シュナイダー(日本語台詞)
美術・衣装:石岡瑛子

左記以外の出演:
塩野谷正幸(森田必勝役)
三上博史(楯の会会員)
立原繁人(現・徳井優:引越しのサカイ)(楯の会会員)
織本順吉(益田総監)
利重剛(若き日の三島役。現在監督として活躍中)
加藤治子(祖母)
大谷直子(母)
坂東八十助(現・三津五郎:映画『炎上』の主人公溝口)
萬田久子(まりこ)
佐藤浩市(溝口の友人)
李麗仙(『鏡子の家』きよみ役)
烏丸せつこ(妹・美津子)
平田満(暴漢)
永島敏行(『豊穣の海』第二部『奔馬』の主人公青年勲役)
勝野洋(勲の上官堀)
誠直也(勲の剣道指南役)
井田弘樹(現井田國彦・井筒)
根上淳(蔵原)
池部良(聞き手)
細川俊夫
福原秀雄(軍医)
水野洋介(『憂国』製作者)
江角英明(自衛隊補佐官)
穂高稔(自衛隊大佐)
小林久三(文学仲間)
横尾忠則
左幸子(収の母)
ロイ・シャイダー(ナレーション)
全編日本語の台詞だが、三島のモノローグ部分が英語。

これほどのオールスター出演にもかかわらず、日本国内で公開されなかったためか、どの俳優のバイオグラフィを見てもこの『MISHIMA』は無視されているようである…。市川雷蔵役の坂東八十助がそっくりなのにびっくり(同じ梨園でも確か血縁は無かったはず)。


三島由紀夫
ライジング・サン

Risingsun
1993

フィリップ・カウフマン監督
ショーン・コネリー
ウェズリー・スナイプス
ハーベイ・カイテル
ケリー・ヒロユキ・タガワ
マコ・イワマツ

ジュラシック・パーク』シリーズなどで知られるマイケル・クライトンのベストセラー小説を映画化。
日系企業のビルでパーティ中に白人女性が絞殺される。捜査に乗り出した市警のスミス(スナイプス)は日本通で知られるベテランのコナー警部(コネリー)の協力を得るが、単純と思われた犯行が、やがて日米の大型企業買収にからんだ複雑なものであることがわかる。
バブル絶頂でジャパン・バッシングの真最中に作られたこともあって、日本はあまり良いイメージで作られてはいない。ただし、出てくるヤクザは意外?と大人しく、切腹とか指詰めをしたりはしない。が、マコは相変わらず日本のボスという役回り(悪役ではない)だし、タガワも相変わらずチンピラヤクザといった感じ(白人女性の女体盛りの寿司を食べるシーンがある)。一応コネリー演じる警部は日本人について敬意を払う役どころで、礼を尽くすシーンがいくつかある。しかも合気道?の達人なので、詳しくは描かれないが、かなり前から日本とは関わっていたことが伺われる。しかしコネリーの日本語「フジャケルナ!ソコドケ!出てゆーけ!ワカランノカア?」などには全身の力が抜けてしまう
冒頭、カラオケ画面に登場する西部劇?で手首をくわえた犬は黒澤の『用心棒』のパクリだろう。音楽は故武満徹。『ツナミ』という太鼓演奏曲が登場する。やっぱりふんどし男の太鼓と尺八ははずせないのですね。カオリ・ナラ・ターナーの本には撮影現場の話がある。彼女は別の仕事でスタジオにいたが、東洋系の女優が着物の裾をはだけさして歩いていたのに遭遇する。「あんた、衣装室で着直しなさい」と言うと、彼女は今衣装室から出てきたところだと言う。カオリが衣装室に行くと、衣装係(当然米国人)は昔の浮世絵を壁に貼ってそれを参考に適当に着物を着付けしていた。カオリは憤慨して、きちんと正しく着付けをしてやった。スタッフもキャストも誰も着付けが出来なかったのだ。それから彼女はその撮影が終わるまで毎日着付けをしてやった。これはボランティアで、一切ギャラを貰わなかった。その努力を見ていたショーン・コネリーが感激して肩を揉んでくれたそうである。まあ、日本を描く映画といってもその位の認識しかないわけだね。それにしてもカオリさんは偉い!
そういえば四谷の英国風パブ「ライジング・サン」(”外人さん”に引っかけた名前)はまだあるのかな。

 Rising Sun

ショーン・コネリーのジェームズ・ボンドは

ブラック・レイン

Blackrain
1989

リドリー・スコット監督
マイケル・ダグラス
高倉健
松田優作
アンディ・ガルシア
ケイト・キャプショー
若山富三郎
神山繁
安岡力也
小野みゆき
内田裕也
ガッツ石松
島木譲二(吉本の「大阪名物パチパチパンチ」の人)

ニューヨーク市警の刑事ニック(ダグラス)が同僚のチャーリー(ガルシア)と昼食中に、マフィアの幹部が殺される現場に遭遇し、凶悪な佐藤(松田)という男を逮捕する。二人は佐藤を連れて日本に向かうが、空港で佐藤の仲間に奪還されるという失態を演じ、大阪府警の松本警部(高倉)の管理下に置かれる。そんな折、佐藤が絡んだ別の殺人事件が起こり、再逮捕に乗り出すが、佐藤が大阪のヤクザのボス(若山)と対立していることを突き止める。しかし、チャーリーが佐藤に殺されてしまい、復讐に燃えるニックは、松本の静止を振り切り、一人佐藤を倒すためアジトに乗り込むのだが…。

見どころはうどんを食べるマイケル。この監督はうどんが好きなのか、『ブレードランナー』にも出てくるね。カラオケシーンもある。この監督が撮ると大阪がとても美しい。(撮影は『スピード』の監督ヤン・デ・ポン)ただし皆あんなにたくさん自転車は乗らないと思う。中国と勘違いしてる。忘れられがちだが故若山富三郎の英語での演技も抜群だ。TVモニターに映る「捨」の文字もおちゃめ。松田優作が今生きていたら本格的なハリウッドスターになっていたかも。凄い存在感で。ガンで苦しみながらもこれだけのアクションをこなしていたとは本当に惜しい…。
「相変わらずヒヨコだな」とヤクザの親分のひとりにののしられた佐藤(優作)がその首をナイフでかき斬るシーンは迫力でした。健さんは英語には泣かされたと言ってたが、なかなかいいんじゃない?

prisoner様の投稿では以下とのことでした。

『ブラックレイン』の若山富三郎の英語は合成して(当人の声から?)作ったものだと松田優作のインタビューで読んだ覚えがあります。

そうだったのですね。それは残念ですねえ。
萩原健一の自伝『ショーケン』によれば佐藤役に最初オファーがあったのはショーケンで、松本役は勝新太郎だったそうだ。え〜!?じゃ、勝新刑事と若山ヤクザ??当初の『影武者』のキャストの再現だったのだろうか?う〜んそれも見たかった!いや、親分役は藤原寛美、松本役はアル中のやさぐれ刑事だったのを、諸事情で高倉健になってキャラ設定が変更されたらしい。他にアンディ・ガルシアの役はトム・クルーズ、NY市長か警察の幹部役にジーン・ハックマンもキャスティングされていた。因みに松田優作は『太陽にほえろ!』の後輩で、萩原を敬愛していた。

 Black Rain (1989) Sato is captured

松田優作のフィギュアは



007は二度死ぬ

You Only Live Twice
1967

ショーン・コネリー
ドナルド・プレザンス
丹波哲郎
浜美枝
若林映子

米ソの宇宙船が消滅するという怪事件が起こり、米ソは互いに相手の仕業と考え、戦争寸前に追い込まれる。イギリスの諜報部は宇宙船を消滅させたロケットが日本から発射されているのを突き止め、スペクターの陰謀とにらみ、ボンドを日本に送り、その捜査に当たらせるのだが…。
007シリーズはお話そのものがアレでツッコミだしたらきりがないのだが、この作品は中でも突出した作品。書ききれないくらいトンデモ日本シーンが続出する。人力車、相撲、風呂、柔道・空手、刀、忍者、ゲイシャなど定番はきちんと押さえてある。しかし圧巻は天下のジェームズ・ボンドが日本の漁師に化けて結婚式をあげるシーン!
丹波さんはこの頃はまだマトモで(失礼)かっこいい。ちゃんと英語を話している。トヨタ2000もかっこいい(本当に走ってる!当たり前だが)。松岡きっこが海女さん役で出演。台詞もない数秒の出演だがこの出演のためのオーディションは凄く厳しかったそうな…。願わくば風俗考証も厳しくして欲しかった。原題は原作者フレミングが来日した際に「松尾芭蕉の俳句」に触発されて詠んでみたという俳句調の詩「人は二度しか生きることがない、この世に生を受けた時、そしてその顔に死を見た時」に由来する。脚本はなんと短編小説の人気作家ロアルド・ダ−ル『あなたに似た人』『チョコレート工場の秘密(『チャーリーとチョコレート工場』の原作)』だ!ラスト近く、爆発した火山の溶岩が流れ込む海を泳いで逃げるのはさすがに無茶だと思うが…。この後この007シリーズでは日本的なものが続出している。

こじま様より以下ご意見いただきました。

007の『二度死ぬ』に出ていた若林映子さんは今どうされているのでしょうか。
外人ファンの多い方でしたが。『三大怪獣 地球最大の決戦』でキングギドラの金星人の役もしていましたね。
ボンドガールといえば浜美枝さんですけど若林さんも当時評価が高かったようですね。 香港スターのミシェル・ヨーぐらいの力量がなければはずかしいというところでしょうか。

http://www.threeweb.ad.jp/~elephant/tuiseki/h/w1.html
若林映子さんは僕も好きでしたが引退されていました。上のサイトに消息が。
藤原紀香のボンドガールも噂がありましたが、まあ難しいでしょうね。

与太様からは以下

2003年だったと思う、丹波哲郎さんがバラエティー番組で007出演時のことを語っておりました。 丹波さんは英語は堪能なんですが007のセリフは中国人の吹き替えだったとのこと。
契約でそうなってしまったのだとか。本人は無理してでも自分の声にしておくべきだったと悔やんでおりました。以上丹波さん談。
この映画、ロケ地は東京、神戸(神戸港)姫路(姫路場)、熊本(阿蘇山、熊本城)etcですが一箇所だけ大阪が含まれています。それは大里化学(スペクターの隠れみのの会社、建物はニューオータニホテル)にボンドがビジネスマンに成りすまして乗り込み社長室で待っているところへテラスにヘリコプターが降りて来ます。そのシーンだけ実は大阪のとあるビルのヘリポートでの撮影なのです(後ろに関西電力の本社ビルと看板が写っています)。なぜ大阪でその撮影をしたのかは判りません。当時としてはそのビルは大阪市内でも唯一のヘリポート付きビルだったそうですが10年ほど前の建て替え時にヘリポートは廃止となったそうです。(付近に高層ビル多くなったので発着陸が難しくなったから?)どうあれわずか数秒しか写っていないけど大阪もロケ地だったというのは大阪府民としては非常に嬉しい。

ありがとうございました。当時全国でもヘリポート付きビルは珍しかったのではないでしょうか?あと、丹波さん演じるタイガー田中は秘密警察のボスという役だが、その基地は地下鉄丸の内線構内の奥にあり、そこに行く落とし穴があり、007がそこに落ちて滑り台で導かれるというシーンがありました。天下の007が全くなすすべも無く滑らされるが、これが敵の罠だったらボンドは2回どころか3回くらい殺されなければならないぞ。アホみたいですね。
ちなみにこの映画の撮影中カメラマンの一人がヘリコプターの事故に逢い、足を切断するという大事故があった。そのせいか途中登場する一人乗りのヘリの場面で、ボンドが耳にしているインカムがワンカットだけ右から左に変わってしまいます。なお、この作品は『オースティン・パワーズ』シリーズのネタとしても重要。スペクターのボス役プレザンスを見れば一目瞭然!『大俳優 丹波哲郎』には撮影時の話が詳しく載っている。ギャラは20万ドルだったそうだ。(1ドル=360円の時代なので、7,200万円!大卒初任給は3万円の時代ですよ)

 You Only Live Twice Trailer (1967)



007はコネリーの番号―ジェームズ・ボンドはやっぱりこの人!!

東京特ダネ部隊

Joe Butterfly
1957

ジェシー・セップス監督
オーディ・マーフィ
バージェス・メレディス
キーナン・ウィン
志摩桂子
斉藤達雄

軍隊コメディ。ミズーリ号での日本の降伏調印式を取材した記者(マーフィ)がライバル紙と競争しつつ特ダネを探す。国外退去を命ぜられた記者が闇屋(メレディス)の協力で日本人の屋敷に隠れるが、ライバル紙に見つかり万事きゅうす。苦し紛れに「東京ローズ」を発見したとでっち上げるのだが…。横浜でロケし、マーフィの恋人千恵子役で志摩佳子(日活の女優)が出演した。斉藤達雄は松竹で小津らと活躍した俳優。メレディスは後に『ロッキー』のコーチ役で知られた名傍役、キーナン・ウィンも『博士の異常な愛情』などに出演した名傍役である。オリジナルコスメブランドで有名なシュウ・ウエムラがアシスタントメイクアップを担当した。


ピクチャーブライド

Picture Bride
1995

カヨ・マタノ・ハッタ監督
工藤夕貴
ケリー・タガワ・ヒロユキ
三船敏郎(遺作)
タムリン・トミタ
杉葉子

今世紀初頭、ハワイの日本人移民は別人種との結婚を禁じられていたことから、自分の写真を日本に送って、花嫁を日本から迎えていた。そうした“ピクチャーブライド”として海を渡った日本人女性の物語。
 1918年、両親を亡くしたリヨは、ハワイに移住しサトウキビ畑で働くマツジとの結婚を勧められる。若くハンサムな写真とロマンティックな手紙に結婚を決めたリヨは、ハワイに渡るが、マツジは中年の男だった。彼は結婚するために20年前の写真を送っていたのだ。騙されたと怒るリヨは彼を拒み、金を稼いで日本に帰ろうと決心したが……。過酷な労働と厳しい生活環境の中で懸命に生活する日本人移民たちの姿を克明に描くが、女性監督ならではの視点で作られ、リヨがハワイで本物の愛に目覚めるまでのドラマに仕上げている。監督はハワイ生まれの日系3世で、脚本は監督姉妹との共同。95年サンダンス映画祭で観客賞を受賞。杉葉子は成瀬巳喜男映画の常連女優。

ファイナル・カウント・ダウン

The Final Count Down
1980

ドン・テイラー監督
マーチン・シーン
カーク・ダグラス
キャサリン・ロス
チャールズ・ダーニング
スーン・テク・オー

世界最強の装備を誇る現代の米海軍の原子力空母ニミッツが、タイムスリップして真珠湾攻撃直前の緊張するハワイ沖に。アメリカ版『戦国自衛隊』みたい。零戦と最新鋭のジェット機の空中戦が見物。『地獄のヒーロー2』のオーさんが、ニミッツの捕虜となったゼロ戦のパイロット・シムラ役ですがタドタドしい日本語をしゃべくる。銃を奪いキャサリン・ロスを人質にとって「責任者二会イタイ。通訳ヲ〜呼ベ!電話ヲ使ッテイイ」。相当練習したのでしょう。オーさんは日本生まれの韓国人で、1959年に渡米、UCLAで演技を学ん後、マコ率いるアジア系劇団「イースト・ウエスト・プレイヤーズ」で活躍した俳優。ドン・テイラー監督は元二枚目俳優で『東は東』に主演していた。空母や航空機は軍の協力を得て本物を使っている。零戦も忠実に再現したものを本当に飛ばしている。『悪魔の毒々モンスター』のロイド・カウフマンがチョイ役(ニミッツのカウフマン司令官役)で出演している。

  Final Countdown dog fight scene

ファイナル・カウントダウン

リビング・オン・TOKYOタイム

Living on Tokyo Time
1987

スティーブン・オカザキ監督

調査中


青い目の蝶々さん

My Geisha
1961

ジャック・カーディフ監督
シャーリー・マクレーン
イヴ・モンタン 
谷洋子

「映画監督の夫と離れたくなくて、ロケ先の日本に秘かにやって来た妻(マクレーン)が、ゲイシャに化けて夫の近くにいる」という無茶な設定
ハリウッドきっての日本通シャーリー・マクレーンが「日本」を知るきっかけになった作品で、彼女がゲイシャになる(日本人メイクはお約束ですな。でも彼女はもともと東洋人ぽい顔だちなのであまり違和感がないと思うのだが)詳しくはマクレーンの項へ。

 shirley maclaine my geisha(伊語吹替え版)

底抜け慰問屋行ったり来たり

Geisha Boy
1958

フランク・タシュリン監督
ジェリー・ルイス
ノブ・マッカーシー
早川雪洲
スザンヌ・プレシェット

原題は『ゲイシャ・ボーイ』。朝鮮戦争を背景に、日本にやって来た間抜けな魔術師(ルイス)と日本の孤児との愛憎を描くドタバタコメディ。あの球団ドジャーズがゲスト出演している。

  The Geisha Boy 4


クリムゾン・キモノ

The Crimson Kimono
1958

サミュエル・フラー監督
ジェームズ繁田
グレン・コルベール
ビクトリア・ショー

ロサンゼルスのリトル東京が舞台。日系二世の刑事と戦友だった白人刑事がストリッパー殺人事件を追うミステリー。捜査をすすめるうち、目撃者の白人女性を愛したことから二人の友情がぐらつき始める。人種差別の問題をも描いた作品。


極道・最終戦争オーバー・キル

Overkill
1986(劇場未公開)

ウーリー・ロメル監督
スティーブ・ラリー
ジョン・ニシオ

ロサンゼルスのリトル東京を舞台に、ヤクザと敏腕刑事との死闘を描く。監督はホラー映画で有名なウーリー・ロメルで、ヤクザの残酷さがどぎつく描かれているのかと思ったが、それほどではなかった。日本人役者は皆日系人なのはお約束。

この映画の詳しい話はコウスケさんのサイトへgo!go!


外国映画に描かれた日本とは?日本が主役編パート2はこちら
外国映画に描かれた日本とは?日本が主役編パート3はこちら
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外国映画に描かれた日本とは?日本が傍役編はこちら

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