『モスラの歌』について。
作詞:由起こうじ
作曲:古関裕而
編曲:古関裕而
歌:ザ・ピーナッツ(伊藤エミ、伊藤ユミ)

作詞の由起こうじは田中友幸(製作者)、本多猪四郎(監督)、関沢新一(脚本)の共同ペンネームである。 作曲の古関裕而は『イヨマンテの夜』などの歌謡曲でも知られるが、阪神の応援歌『六甲おろし』、巨人の応援歌『闘魂こめて』の作曲家でもある。関沢新一は他の東宝の特撮映画、テレビシリーズ『ウルトラマン』などの脚本も手がけたが、後に作詞家として都はるみ『涙の連絡線』、美空ひばり『柔』、なども手がけている。
『モスラの歌』歌詞は以下。

モスラヤ モスラ
ドゥンガン カサクヤン
インドゥムゥ
ルスト ウィラードア
ハンバ ハンバムヤン
ランダ バンウンラダン
トゥンジュカンラー
カサクヤーンム

インドネシアの留学生に日本語の歌詞を見せて作らせたという説もあるが、『ゴジラ/見る人/創る人』という本で、中野昭慶特技監督の話によると、この歌詞はこういういきさつで作られたという。
小美人をザ・ピーナッツが演じることが決まり、せっかくだから歌ってもらおうということになった。そこでこの映画についた4人の助監督を呼んで原詩を作らせた。
助監督の1人が英語・仏語に堪能で、残りの3人がエスペラント語(ザメンホフが考案した世界共通語)ができた(このうちひとりが後にウルトラシリーズでならす野長瀬三摩地)。
まず、仏語ができる人が「きのう青い空の下に我らの救世主モスラ様がいますよ」という原詩を仏語で作った。それじゃ面白くないので次にそれを英語読みにした。それをさらにエスペラント語に置き換えた。まだ、つまらないので、それを歌ったものをテープに録音し、さらに逆回しで再生したものを書き取って完成した。
とのこと。
だからどこの国の言葉でもないオリジナルの歌詞である。
が、可哀想にこんなに苦労して作ったのに彼らが作詞者としてクレジットされていない…。

因みに映画『モスラ』の原作者、中村真一郎福永武彦堀田善衛はどれも高名な純文学作家・評論家である。

こちらの小美人は大塚ちひろ&長澤まさみ版↓『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003)
↓ピーナッツと比べると日本人女性の体格がかなり良くなっていることが分かりますね〜。
Mothra Song Music Video

『ゴジラ/見る人/創る人』


↓『モスラの精神史』は他の怪獣映画との違いを解いて見せた本。


このウィンドウを閉じる

「洋画・洋楽の中の変な日本・がんばる日本」トップページへ